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いったい何枚あったらいいの?研磨盤!

d0248641_14375584.jpg  線材術衆ですがたまには他の話題もと思いまして、今回は研磨盤の製作です。バネ屋さんで端面研磨機をお持ちであれば、皆さん社内で自作されていることでしょう。仮に研磨機屋さんに製作を依頼しようものなら1枚、10万円くらいするそうですよ。
材料はレーザーカット屋さんに鉄板と外径、内径、厚みを記して注文します。この画像のものは薄いほうで厚いものになると強烈な重量にビックリします。
d0248641_14402344.jpgd0248641_14421884.jpg
  画像のようにフライス盤にサーキュラーテーブルを取り付けて穴を開けていくわけです。フライス盤をボール盤として使います。バネの入る穴は研削する製品の外径に+0.3mm~+0.5mm大きくしたものにします。ですが穴の大きさの最終決定は研磨課担当者とのやり取りで決まります。これが出来上がりのバネの直角度に著しく影響しますので最も慎重になるところです。一つ開けては5目盛(5度)ずつ回していきます。下の画像では一周360度分の5度で、72穴ということになります。

d0248641_14172939.jpg  これは3段階工程の最終仕上げ径を開けているところです。これといったコツはありませんが、穴を開けるときに一度で指定の大きさまで開けてしまうのではなく、何段階かに分けて行うことでドリルにも研磨盤にもやさしくより正確さが増します。あとはドリルの回転速度をかなりゆっくり目に回します。
先程も申し上げましたが、これは薄い部類に入りますので黄矢印の当てを下から軽く触れる程度に当ててやります。これは赤矢印のバイスで固定しています。
d0248641_1417213.jpg  この黄矢印の当てがないと斜めに開いたり、または楕円に開いてしまったり安定しません。必ずドリルが上から押してくるので、下から受けてやるのは当然のことでしょう。
d0248641_14174211.jpg  ここまででもかなりの時間を費やしています。ゆっくり辛抱強くが唯一のコツですね。
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by wiretec | 2012-02-14 14:27 | 熟練要領

因数分解的線細工つづき

d0248641_13452239.jpgd0248641_13451258.jpg  立体曲げ2ですが、先程の簡単な90度ではなく斜め立体曲げとなります。斜め角度を決める当ては、ブロックではなく板を使いました。高さが調整できるものであれば板でもブロックでも構いません。

d0248641_1345026.jpgd0248641_1415212.jpg  注意しなければならないのは、斜め曲げの時は左画像赤色矢印の支点と、青矢印の当てが線径以上離れてしまうため、不安定になってしまいます。そのため黄色矢印のような当てが必要不可欠になってきます。別に作業に差し支えなければもっと大きな当てでもOKです。

d0248641_1404331.jpgd0248641_13444951.jpg  斜め曲げと申しあげましたが、左画像を見る限りでは平面曲げですね。失礼しました。しかし右画像の斜め立ち上がり角度をパーフェクトに安定させるためにも、この作業方法は正解なのです。

d0248641_13443945.jpgd0248641_13442971.jpg  ここは完全に平面曲げです。全工程中一番容易ななところでしょうか。ここでの当てに注目してください。この当ては曲げまでの距離と、作業時に赤矢印と反対方向に製品が動かないようにの、止めにもなっています。こういった一石二鳥の使い方も、匠のさり気ない技の一つです。

d0248641_13441674.jpgd0248641_1344271.jpg  はいっ、これが正真正銘の斜め曲げでございます。左画像黄色矢印の当てが曲げまでの距離を、板当ての高さが斜め曲げの角度を、芯金の太さが曲げの径を、芯金の斜め左上の当ても先程もありましたように、板当てと芯金が線径以上離れている場合には常識中の常識です。

d0248641_13434873.jpgd0248641_13433912.jpg  左画像を見れば斜めに曲げというのが一目瞭然ですね。これが最後の曲げになります。赤矢印にしっかり当たっているのを確認して作業します。結局製品を作っているのか、ベンダーを作っているのか解らなくなってきますよね。昨今のNCフォーミング機は材料を任意に回転できますので、このような立体曲げ作業は大変楽になりました。といっても小ロット注文の場合などまだまだ手作業に頼るところも多いのです。

d0248641_13431181.jpgd0248641_1343353.jpg  フィニッシュは当然カットになります。最後の曲げからカット位置までが結構長いので、緑矢印のような調整できる当てをつくっています。赤矢印メンの溝と黄矢印の受けは、何度も申し上げますが材料を切断するに当たって、折る感じに切らなければならないため、カットツールが非常に長持ちしバリを最小限に抑える働きを担っています。もし黄色矢印の受けが無かったら、切断中オン刃はメンから逃げてしまいます。結果バリになるわけです。受けがあるとオン刃は切断中先ほどとは逆のメン刃方向にあおられるため、隙間が抑えられバリなく“折れる”わけなのです。

d0248641_13423747.jpgd0248641_13423083.jpg  カットツールは今回、匠はストレート溝無しを選んでいます。筆者の私ならば、両方溝有りでやりたいところではあるのですが、詳しい理由はまた匠の機嫌の良い時に質問しておきます。右画像の赤矢印の刃と受けの隙間(クリアランス)も見た目は隙間なしに見えますが、素人には解らない独特の隙間設定が存在しこれが刃の寿命などに一役買っています。

d0248641_13422058.jpgd0248641_1342624.jpg  黄矢印、赤矢印の方向へしっかりと必要最小限の力で押さえエキセンを回し作業を終了します。今までで最高工程数を紹介させていただきました。最後まで御覧いただき光栄に存じます。
線細工とはこの一つひとつの工程の組み合わせによって成り立っているものです。いかに今までそしてこれからもいろんな平面曲げ、立体曲げ、ネジリなどを経験し自らのボキャブラリーに組み込むかが匠への険しい道になっています。

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by wiretec | 2012-02-13 13:37 | 熟練要領


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